【スポーツ保護者必見】自宅でケアする足首捻挫の3つの重要ポイント

 

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捻挫後の必須ケア&トレーニング総論

足首の捻挫はスポーツ現場ですごく多いケガの為軽視されがちですが、ケガ直後の対応で治りに差が出ます。今ケガをしている人はもちろん、今はケガをしていなくても必ずこの記事をみて、万が一の時に備えて頂きたいです。

 


3つの重要ポイント


➀足首の安定性を取り戻す

固定と筋の促通(中殿筋・腓骨筋)

 

➁足首の動きを取り戻す

曲げ伸ばし(底背屈)可動域の改善

 

➂全身との繋がりを取り戻す

バランストレーニング

 


足関節内反捻挫の状態


☆靭帯が伸びる・切れる(靭帯損傷)

足首を捻ると骨と骨とをつなぐ靭帯が伸ばされて傷つきます。特に前距腓靭帯という靭帯が一番傷つきます。

 

☆骨が折れる(裂離骨折)

成長期の骨は弱い為、捻挫と共に腓骨の裂離骨折をすることがあります。これは重要ポイントです。

 

☆靭帯のゆるみは不安定性として残る

靭帯は一定期間の修復時期を逃すとその後緩みとして残ります。靭帯が緩むと足首がグラグラして痛みやパフォーマンスの低下につながる事があります。慢性足関節不安定症と言われ、皆さん気付いていない方が多いですが、意外に多い後遺症の一つです。

 

☆骨折は破片として残る

骨折も一定期間を逃すと遊離体として残ります。ある事自体大きな問題はないですが、居所が悪いと関節に挟まったりして痛みが出たりすることがあり、リハビリでも痛みが改善しない場合は手術で取り出すこともあります。

 


☆一定期間動かしてはいけない方向

靭帯の損傷具合によりますが、少なくとも1週間は伸ばす(底屈)捻る(内反)の運動はやめましょう(高い技術を持ったセラピストの施術を受ける場合を除く)。また、踵を後ろから押し出される状態も避けましょう。

 


足首安定化のポイント


☆固定の種類

裂離骨折の場合はギプス固定、それ以外は靭帯の損傷度合いによって半硬性か軟性サポーターを使用します。

 

☆中殿筋・腓骨筋による安定化

中殿筋は股関節の外側、腓骨筋は足首の外側にある筋肉です。腓骨筋は直接足首が捻られないように耐える働きがありますが、大きな力には耐えきれません。中殿筋の力で股関節を安定させて、足首を捻らない位置に足の置き場をコントロールすることがとても重要になります。足の置き場が身体の中心に近づくと足首を捻り易く、股関節の下に来ると安定します。これは捻挫以外のケガの予防やパフォーマンスアップにも繋がるポイントです。

 


足首可動域改善のポイント


☆まずは正常な曲げ(背屈)を作る

脛に対して足が真っ直ぐ曲がる状態を作る事が最重要ポイントです。外に捻られれば足首の内側や足裏が伸ばされて痛くなり易いですし、内に捻られればバレーボールでよくやる相手の足を踏んで捻挫するという状態になり易いです。また足首が正常に曲がらない場合は膝・股関節・腰などにも影響が出る為、全体的な痛みやパフォーマンスに影響が出ます。

 

☆時期をみて正常な伸び(底屈)を作る

靭帯の修復状態に気を付けながらですが、最終的には真っ直ぐ伸びる状態を作るのも重要なポイントです。真っ直ぐ伸ばすことが出来ないと、つま先立ちやボールキック時に足首が内側や外側にグニャッと捻られる事があります。足首に限らず、「可動域の制限があると、他の動きやすいところが動き過ぎて痛める。」と言うのがケガの特徴です。

 

ケア&トレーニングの進め方


開始時期のポイント


☆腓骨裂離骨折の有無

☆前距腓靭帯不安定性の有無

☆痛み

この3つを基準に進めます。あくまで目安ですので、基本的には医師の指示に従うか自己のの責任の上ご判断下さい。

 


☆腓骨骨折あり(受傷直後・ギプス固定)

骨折と靭帯の不安定性が治るまで約3週間ギプス固定します。その間は痛みに応じて患部外のケア&トレーニング(股関節・体幹・肩など)や中殿筋・腓骨筋トレーニングを行います。「3週間は運動禁止」と言う医師の言葉をまるまる鵜呑みすると、復帰が遅れてしまう事があります。もちろん患部の荷重制限(足をついて良い悪い)や痛みがある場合は無理は禁物です。

 

☆骨折あり(不安定性改善)

不安定性が残っていれば更に2週間の固定、改善していれば軟性装具に変えて積極的に運動を始めます。スポーツ動作時や学校など足首に気を使っていられない場合は、しばらく装具をしていた方が安心でしょう。しかし注意深くトレーニングを行い、装具も徐々に外していく事が必要です。固定により固まった足首の曲げ伸ばし(底背屈)をしっかり出して行きましょう。また痛みの範囲内でバランストレーニングも開始して下さい。

 

☆骨折あり(片足ホップ可能)

片足でピョンピョンと跳ねる事が出来れば走る動作へ進めましょう。まずはジャンプ、ダッシュ、切り返し動作などを一人で全力で行えるようになる事が理想です。自分の身体をコントロール出来ないのにボールコントロールや相手に合わせた動きをすることは不可能です。実際にはボールコントロールや対人練習も平行して進めますが、無理の無いように徐々に強度や時間を上げていきましょう。受傷後7~8週間後には全く問題なくプレー出来ている事が理想です。

 

☆骨折なし・靭帯不安定性あり(受傷直後・装具)

靭帯の不安定性が治るまで約1~3週間(損傷具合による)は足首を伸ばさない(底屈・前方引き出し)ようにすることが重要です。この時期は曲げ(背屈)の角度をしっかり作ることと、中殿筋・腓骨筋・バランストレーニングを痛みが出ないように行う事が大切です。装具を付けて痛みの範囲内で足を着いて行きましょう。靭帯の安定性が出来てきた時に走行練習に移れるよう準備をしていく事が大切です。

 

☆骨折なし・靭帯不安定性あり(不安定性改善)

不安定性が改善すれば積極的に伸ばし(底屈)の柔軟性と安定性を出していきます。サッカーのインステップキックやバレエのつま先立ちをする場合、ここのケアがとても重要です。また注意深くトレーニング出来ている場合は軟性装具も必要ないですが、学校や運動時など足首に気を使っていられない場合、初めのうちは軟性装具をしていた方が安心でしょう。片足ホップが出来るようになったら、ジョグ・ジャンプ・ダッシュ・切り返し動作などを全力で行えるように徐々に強度を上げて行きます。前にもお話ししましたが、自分の身体をコントロール出来ないのにボールコントロールや相手に合わせた動きをすることは不可能です。実際にはボールコントロールや対人練習も平行して進めますが、無理の無いように徐々に強度や時間を上げていきましょう。損傷度にもよりますが、受傷後7~8週間後には全く問題なくプレー出来ている事が理想です。

 

☆骨折なし・靭帯不安定性なし(または元々不安定)

骨折も靭帯の不安定性もない場合は、痛みが強くならない程度に運動を継続します。また2回目、3回目の捻挫の場合は、靭帯の不安定性があっても今回のケガが原因では無く元々靭帯が緩んでいることがあります。この場合も3週間の固定を行わず、痛みの範囲内で運動を再開することがあります。

 

☆慢性足関節不安定症に注意

1回目の捻挫を放置する、または捻挫を何回も繰り返すと足首の不安定性がずっと残ります。若い頃は何ともなくても、足首の不安定をかばう為に膝や腰が痛くなったり、足首の骨自体が変形したりと大人になってから「あれ?」と思う事もあります。このように足首がずっと不安定な状態を慢性足関節不安定症といい、知らず知らずのうちにこうなっている人は実はとても多いです。出来る限り靭帯の修復・安定化トレーニングを行いましょう。

 

☆機能的インソールも考慮する

足元の安定性を補助するものとして「機能的インソール」が効果的と言われています。ただのサイズ調整の中敷きでは無く、踵と足のアーチを適度に補助してくれるインソールである事が重要です。私も病院勤務時代はオーダーメイドで作成していましたが、今は比較的良い既製品が出ているのでそちらをお勧めしています。⇒インソールについて詳細はこちらをご覧下さい。

 


骨折や不安定性の判断はどうする?


☆超音波検査の出来る整形外科クリニックが第一選択肢

整形外科クリニックには医師がいます。医師がいる事でレントゲン(骨がうつる)検査が出来ます。しかし、小さな骨折はレントゲンにうつらないこともあり、超音波検査の出来ないクリニックでは子供の裂離骨折を見逃す可能性があります。実はこれとても多いです。ですので、出来る限り超音波検査の出来る整形外科クリニックに行きましょう。

 

☆超音波検査の出来る接骨院もあり

接骨院の先生は「医師」では無い為、レントゲンを撮れません。しかし超音波検査は出来ます。整形外科クリニックにしても接骨院にしてもまずは超音波検査の出来るところがお勧めです。その後のリハビリに関しては信頼のおける先生のもとで行いましょう。

 

捻挫時の現場対応


基本方針


☆一時休んでアイシング

足を捻って「痛み・腫れ・熱感・歩行障害」といった炎症症状が起こったら、15分程度氷でアイシングをしながら休憩します。時々コールドスプレーを至近距離から連続照射したりキンキンに固まった保冷剤を直接押し付ける大人がいますが、凍傷の危険があるので注意して下さい。コールドスプレーは適度な距離感で、保冷剤はタオルに包むなどして利用しましょう。また、アイシングは一時的な疼痛緩和と炎症症状悪化防止が目的の為「治った」わけではありません、損傷度合いが強ければすぐにまた痛みをぶり返すことにも注意が必要です。

 

☆痛み無く片足ホップでプレー復帰

損傷度合いが低ければ、休んだ後に痛み無く復帰可能です。歩く⇒その場駆け足⇒その場両足ジャンプ⇒片足ホップと徐々に負荷を上げてみて痛み無く、安定して出来れば競技に復帰します。

 

☆痛みがあればプレー中止

動いて痛みがあれば原則その日のプレーは中止です。大事なセレクション中だったり、最後の試合で出ないと一生後悔するなどの場合を除き、テーピングで固定してのプレー継続は推奨されません。今後のことを考えて判断を行ってください。腫れや痛みが強い場合は、速やかに整形外科クリニックへ行きましょう。

 

☆整形外科クリニック受診

当日はそれほど痛くなかったが徐々に痛みが増していたり、痛みが変わらなかったりした場合は、念のため整形外科クリニックへ行きましょう。

 


痛みの判断のポイント


☆ズキズキ痛むは炎症

 動かさなくても痛い場合は、損傷の程度が高く炎症が起きている為休みましょう。練習後ズキズキ痛むようなら、練習直後に15分程度アイシングを行いましょう。ただし練習の合間にアイシングを行い、痛みを麻痺させて再度練習に戻るのはあまりお勧めできません。

 

☆動くと痛いは硬いか弱い

動かして痛い場合は、その組織がしっかりと伸び縮み出来ていない事が考えられます。柔軟性があって強い組織にすることで動作時の痛みは改善する為、休養・栄養・ウォーミングアップや適度なストレッチなどで日頃からケアを行いましょう。また、弱さに対しては適度な負荷をかけてゆく事で強度が増し、負荷が掛かっても痛みの出にくいソ危機になります。それでも改善しない場合は動作方法が悪い場合があるので、専門家にみてもらう必要があります。無理を続けると筋腱損傷や疲労骨折にも繋がりかねませんので注意しましょう。

 

☆違和感程度に留める

負荷の強度は違和感~1・2/10程度に留めましょう(0が痛み無し、10が痛くて動けない)。

 

足首捻挫後のケア&トレーニング まとめ


①足首の安定性を取り戻す

一定期間の固定と腓骨筋・中殿筋の促通。

 

➁足首の動きを取り戻す

時期に応じた足首曲げ伸ばしの可動域改善。

 

➂全身との繋がりを取り戻す

道具を使わなくても出来るバランストレーニングから開始。

 

 

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