【運動が苦手な保護者必見】心と身体を壊さない為の成長争いのポイント

 

※動画の要点を記事にしています、詳しくは動画をご覧下さい

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成長スパート期を見逃すな!!

「同じ練習をしているのに何でうちの子だけケガするのだろう?」「一回良くなったのに何でまた痛くなるの?」こんな疑問を持ったことはありませんか?もしかしたらそこには「成長スピード」が関係しているかもしれません。

 


成長期に多いケガの特徴


➀骨・筋肉・腱・靭帯がストレスに耐えきれずに傷ついて起こる

➁成長途中では骨が弱い為、捻挫や打撲に骨折を伴うことが多い

➂運動量増がと成長が加速する小学5年生から高校1年生で好発する

➃同学年でも成長速度は様々で4~5年程度の差がある

前回は①➁について説明しましたが、今回は➂➃について説明します。特に➂は成長スパート期(女子平均10~12歳、男子平均12~14歳)と言われる、成長期ではとても重要な時期になります。

 


成長スパート期


☆成長スパート期・順天堂大学で検索

成長スパート期とは10歳~14歳頃にみられる、急に成長が進み身長が伸びる時期です。これを過ぎると骨端線が閉じて骨が安定すると共に、身長の伸びも止まります。上の図は順天堂大学のホームページより引用させて頂きました。成長スパート期についてとてもわかり易く書かれているので是非一度ご覧ください。特に順天堂大学は女性アスリートの体調管理について力を入れているようで、体調管理アプリも作成しています。⇒成長スパート・順天堂大学

☆成長スパート期とパフォーマンス

成長スパート期前半は急激な骨の成長により耐久性が伴わなかったり、筋肉の伸びが追い付かなかったりでオスグッドシュラッター病やシーバー病などの成長軟骨障害が好発する時期です。また、成長スパート期前後で骨の長さ・強さが急激に変わる為、思うように身体を扱えずスランプに陥ることがあります。このように成長に伴い動きが鈍くなりスランプに陥ることをクラムジーと言います。

☆身長は遺伝で8割決まる

因みに身長は遺伝で8割決まると言う研究報告もあり、(引用元:ヒトの身長に関連する遺伝子バリエーションを数百個も新規同定(2014106日)|nature genetics予測身長の計算式もあります。男子は【(両親の身長の合計+13)÷2+2】、女子は【(両親の身長の合計-13)÷2+2】とされています。因みに最近は親世代と子世代の体格格差がほぼ無くなったとされ、+2を入れない事が多いようです。

☆予測身長に達する為に必要な事

予測身長に達する為には、成長スパート期で十分に身長を伸ばす事が必須です。その為には1日60分程度の適度な運動、8~10時間の睡眠、1日3食のバランスの良い食事が大切と言われています。

☆同学年で成長スピードが違う理由

これらを踏まえて考えると、同学年で成長スピードが違う理由は「遺伝とした備わった成長スパート期の速さ(早ければ早熟・遅ければ晩熟)」と「成長スパート期を正常に迎える為の生活環境(適度な運動・睡眠・食事)」となり、ご家族に出来る事はやはり生活環境を整えてあげる事になります。また、誕生月は「スピード」の違いでは無く「スタートライン」の違いですが、ただでさえ4~5歳の成長スピードの違いがあるわけなので、4月生まれと3月生まれでは最大6歳もの差が出る事になります。

 

 

誕生月による影響


スポーツ選手の誕生月別人数


☆プロ野球選手の誕生月別人数

日本のプロ野球選手の調査では、ご覧の通り4月生まれが多く12月以降は急激に人数が減る事がわかると思います。

 

☆プロサッカー選手の誕生月別人数

日本のプロサッカー選手においても圧倒的に4~6月生まれの選手が多いことがわかります。また早生まれのプロ選手が少ないのは日本に限らず、9月入学のイギリスでは6~8月の早生まれよりも9~11月生まれの選手が約2倍多かったと言う報告もあります(プレミア1~3部、1991~1992シーズン)。

 

☆オリンピック選手の誕生月別人数

しかしオリンピック選手を見てみると、なんと各月平均していることがわかりました。

 

☆金メダリストの誕生月別人数

更に日本の金メダリストにいたっては、1月生まれが一番多いと言う結果になっています。これらの結果をみてみると、誕生月による違いは「競技特性にあるのではないか?」と推測できます。団体スポーツで且つフィジカルの強さが影響するスポーツでは早生まれは不利、逆にオリンピック種目に多い個人スポーツではあまり関係無いのではないかと言う事です。

 


早生まれ・晩熟によるデメリット


☆団体スポーツ

1~3月生まれの「早生まれ」と成長スパート期が遅い「晩熟」による、団体スポーツにおけるデメリットを考えてみました。球技などの団体スポーツは、スカウトの目に掛かるように高校生・大学生で活躍する必要があります。その為、スカウトが見に来る大会に出場出来る強豪校やクラブに入る必要があり、それ以前の中学生・高校生からある程度活躍している事が有利になります。4月入学のタイミングを考えるとフィジカルの弱い早生まれや晩熟の子は不利になると考えられます。

選考時期に合わせようと無理してケガを繰り返したり、身体の大きさで勝てず中々成績が伸びない事で「自分は劣っている。」という思い込みがドロップアウトへと追い込む事もあります。

☆個人スポーツ

個人スポーツではどうかと言うと、名門校に入る為には団体スポーツ同様やや不利と言えるでしょう。しかし階級別・表現力・バランス能力など身体の大きさに頼らない面もあり、団体スポーツよりは影響が少ないのかもしれません。

反対に、体操やフィギュアスケートなど審美系のスポーツは身体が軽い方が有利と言う場合もあり、未発達のうちから過度な練習や栄養不足が問題になる事があります。これは女性アスリートの三主徴と言って、利用可能エネルギー不足・運動性無月経・骨粗鬆症を特徴とする女性アスリート全員に注意が必要な問題でもあります。

 


早生まれ・晩熟によるメリット


☆大人が焦らなければ良い事もある

練習量や内容の調整をしてケガに注意すれば、自分よりも上のレベルの選手と練習が出来る為、成長が完了する頃には急に競技レベルが上がる事があります。また、あえて有力選手にならない事で過度に期待されずに伸び伸びスポーツが出来ると言うメリットもあります。

競技によっては年齢制限の規定が大会日であったり、大会の年の12月までだったりすることがあり、世代別代表などでは1月が一番年長で有利になる事もあります。サッカー元日本代表の内田篤人さんはなんと3月27日の超早生まれですが、元々あった才能を世代別代表で一気に開花させた選手とも言われています。

 


4~6月生まれ・早熟によるメリット・デメリット


☆言わずと知れた成長が早いことによるメリット

同世代より成長が早く「力やスピード」で勝る為、小・中学生のうちから活躍し易く「自信」に繋がります。また、セレクションや強豪校にも受かり易く、学年別ではやはり有利と言えるでしょう。

 

☆大人が見逃しがちなデメリット

エースとして多用されケガを繰り返したり、同世代の成長が追い付いてきた時に勝てなくなり壁にぶつかり、そのまま潰れてしまう事もあります。よくテレビで「消えた天才・・・」と言う言葉を聞くことがあるかと思いますが、大人や周りの環境で消されてしまう事が多々あるように思います。プロになるならない関係なく「子供の時はスポーツを楽しむことが一番」と様々なプロスポーツ選手が発信してくれている意味を、我々親世代はちゃんと受け止めたいですね。

 

 

成長スパート期に出来る事


デメリット解決の鍵は二つ


①その子の特徴を理解する

遺伝や生まれた時期は変える事が出来ません。ましてや子供のせいでもありません・・・誰のせいとかではなく、どういう状態かを知って理解する事が大切です。そして受け入れられるようになると最高ですね。

➁生活環境を整える

反対に適度な運動や睡眠・食事などは変える事が出来ます。成長スパート期を最大限に有効かする為に今出来る事は、なんら特別な事ではない「生活環境を整える事」ですね。以前の記事でも説明した

☆適度な負荷をかけて組織の強度を高める

「睡眠と食事の質」を高めて自然治癒力を促すことと、「ストレッチやマッサージ」などで組織循環を促すことです。

 


後遺症って言われても・・・


☆休みたくないな~、休めないよ・・・

実際は休みたくない、休めないと思っている子が多いように思います。休むなんて「面白くない・下手になる気がする・仲間に申し訳ない」と言う理由や、「親が許してくれない・監督コーチが許してくれない・先輩が許してくれない」と言う理由など、本人にも色々葛藤がある事でしょう。ご家族の方も「休んだらパフォーマンスが落ちるんじゃないか・多少のケガで弱音を吐かないで強い心を持って欲しい・スポーツ出来ないのは可哀そうだからやらせてあげたい」と言う理由で中々休ませられない事も多いのではないでしょうか?確かに当事者としてはこういう感情になる事は痛いほどわかります。しかし、一歩下がって考えてみると、これにはいくつかの誤解が隠されています。これについてもまた別の機会にお話しします。

 


成長期に多いケガの特徴 まとめ


☆子供の身体に耐えられない程の負荷が掛かって「組織が壊れている状態」

☆休養・セルフケア・動きの改善で「組織の回復&強度を高める」必要がある

☆成長期の過度な追い込みは「後遺症を残す可能性がある」ので要注意

☆成長速度は個人差が大きい為「個々への対応が必要」

成長期の特徴を知って、お子様の身体を守りましょう!!